
vol.1012023年2月
[今月の表紙]福岡県太宰府市【観世音寺の雪景色】
前日の夜から続いた雪に白く覆われた極寒の2月。しんしんと降った雪が葉を落とした枝に積もり、墨絵のような風景が広がっています。福岡ではあまり見ることのできない雪景色です。
如月の食材大根
消化を助ける酵素がたっぷり。
栄養豊富な葉も捨てずに調理を。
この時季、野菜売り場で太く大きな大根を目にすると、いろいろなレシピが思い浮かびます。
煮物にサラダに漬け物、鍋物にもいいし炒めても美味しいし・・・。
毎日食べても飽きないほど料理のバリエーションが豊富な大根。日本の冬に欠かせない万能野菜です。
大根にはビタミンCやカリウムなどと共に、アミラーゼやプロテアーゼなどの消化酵素が豊富に含まれます。焼き魚と大根おろしの組み合わせは、大根のビタミンCが魚に含まれる栄養の吸収を促進すると同時に、これらの酵素が消化を助けるという嬉しい効果もあるのです。
さらに、ぜひ食べていただきたいのが大根葉。根には含まれないβ-カロテンが豊富で、カリウムやカルシウムもたっぷりです。大根葉が手に入ったら、刻んで塩漬けにしたり味噌汁に入れたりと、利用してみてください。
大根は部位によって味わいが異なります。みずみずしく甘みがある上部はサラダや大根おろしに、柔らかく甘みと辛みがほどよい真ん中の部分は煮物に。辛みが強い下部は味噌汁や漬け物でいただくのがおすすめです。
料理研究家・フードプロデューサー徳永 睦子さん
福岡県那珂川市にて「フーディアムトクナガ」主宰。一般社団法人全国料理学校協会総師範、公益財団法人日本健康・栄養食品協会九州支部長など食のエキスパートとして活躍。
大根の即席漬け
適度な歯ごたえが後をひく即席漬け。常備菜としても重宝します。
●半量●
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カロリー
40kcal
-
脂質
0.2g
-
糖質
10.1g
-
塩分
1.5g
調理時間 約5分(漬け込み時間を除く)
材料(約200g分)
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・大根
250g(約1/4本)
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(A)砂糖
大さじ2
-
(A)酢
(または柚子果汁)大さじ1
-
(A)塩
小さじ1
-
・柚子の皮
少々
-
・赤唐辛子
1/2本
-
・だし昆布
約3cm
作り方
- ①皮をむいた大根は8㎜程度の厚さの拍子木切りにし、清潔なビニール袋に入れます。
- ②①に(A)、細切りにした柚子の皮、種を除いて輪切りにした赤唐辛子、4等分に切っただし昆布も入れて 【写真1】 のように中の空気を抜き、袋の口を縛ります。
- ③冷蔵庫に入れて3時間程度漬け込みます。

調理のポイント
空気を抜いてビニール袋の口を縛ることで漬け汁が均等にいきわたり、重しをしなくても漬かりやすくなります。
大根の和風グラタン
だしで煮た大根に、牛乳のクリーミーな味わいがよく合う一品です。
●1人分●
-
カロリー
302kcal
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脂質
17.3g
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糖質
20.8g
-
塩分
1.5g
調理時間 約30分(ブロッコリーの茹で時間を除く)
●材料(2人分)●
-
・大根
300g(約1/3本)
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・にんじん
40g(約1/3本)
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・鶏もも肉
100g
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・玉ねぎ
50g(約1/4個)
-
(A)白だし
大さじ1
-
(A)酒
40g(約1/3本)
-
(A)水
200ml
-
・牛乳
200ml
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(B)片栗粉
大さじ1/2
-
(B)水
大さじ1/2
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・ブロッコリー
50g(約4房)
-
・溶けるチーズ
40g
-
・パン粉
適量
作り方
- ①皮をむいた大根とにんじん、鶏もも肉は1.5㎝程度の角切り、玉ねぎは薄切りにして鍋に入れます。(A)を加えて火にかけ、沸騰したら弱火にして蓋をし、約10分煮ます。
- ②<写真2>のように①に牛乳を加えて煮立て、一旦火を止めて(B)の水溶き片栗粉を加えて混ぜ、再び弱火にかけてとろみをつけます。
- ③耐熱容器に②と小房に切って茹でたブロッコリーを入れ、表面に小さく切った溶けるチーズとパン粉を散らします。オーブントースターで表面に焼き色がつくまで焼きます。

調理のポイント
牛乳はまろやかさが損なわれないよう、具材を煮た後に加えます。
- レシピ制作・監修/料理研究家、管理栄養士 伊勢木紀三子さん
- 雑誌や企業のカタログ、クッキングスクール、イベントなどでの料理講師、クリニックでの栄養指導を行う。
今月のテーマ湯船の中でできる疲労回復ストレッチ&エクササイズ
入浴によって体が温まると、筋肉がほぐれて関節の可動域が広がるため体が動かしやすくなります。
そこで今月は、湯船の中でできるストレッチ&エクササイズをご紹介。知らず知らずのうちに体に力が入ってしまって筋肉が硬くなりがちな冬は、入浴の際に行うこれらの運動で全身の疲れをほぐしましょう。
※湯船の中で行うストレッチになりますので、溺れないよう十分お気をつけください。
- ストレッチ
パターン1 - ストレッチ
パターン2 - エクササイズ
パターン1 - エクササイズ
パターン2
肩回しストレッチ
肩甲骨周辺の筋肉をほぐします
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①お湯に浸かった状態で、指先が右肩に触れる程度に右肘を曲げます。膝は曲げても伸ばしてもどちらでもOKです。
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②呼吸を止めずに、右肩を中心にして右肘で大きな円を描くように回します。後ろから前へ、前から後ろへと各5周ずつ行います。
-
③左肩も同様に、後ろから前へ、前から後ろへと各5周ずつ回します。
ポイント
・大きく回すことで肩甲骨がしっかり動き、周辺の筋肉をよりほぐすことができます。
・腕が水面に出ても構いません。
腰ひねりストレッチ
腰や背中の筋肉をほぐします
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①お湯に浸かった状態で、両膝を自然に曲げて座ります。
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②呼吸を止めずに、体を右側にひねって浴槽の縁や側面に両手をつきます。そのまま20秒キープして①の姿勢に戻します。
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③反対側も同様に、20秒キープして①の姿勢に戻します。
肩まわりエクササイズ
肩のインナーマッスル(深層筋)を鍛えます
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①お湯に浸かった状態で左側の腕を前に伸ばします。膝は曲げても伸ばしてもどちらでもOKです。
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②呼吸を止めずに、伸ばした腕をお湯の抵抗を感じながら15cm程度の幅で左右にゆっくり動かします。
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③10回程度繰り返し、反対の腕も同様に行います。
ポイント
・腕の力を抜いて行いましょう。
・肩のインナーマッスルを鍛えることで、肩関節を安定して動かせる効果が期待できます。
足の付け根まわりエクササイズ
股関節のインナーマッスル(深層筋)を鍛えます
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①お湯に浸かった状態で、左足の膝を軽く曲げて少し浮かせます。両手は後ろにつきます。
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②呼吸を止めずに、浮かせた足をお湯の抵抗を感じながら15cm程度の幅で左右にゆっくり動かします。
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③10回程度繰り返し、反対の足も同様に行います。
ポイント
・足の力を抜いて行いましょう。
・股関節のインナーマッスルを鍛えることで、股関節を安定して動かせる効果が期待できます。
公益財団法人 福岡市スポーツ協会スポーツトレーナー 梶原 あづささん
福岡市内でスポーツイベントや教室等の企画・運営、 レクリエーションやトレーニングなどの運動指導に従事。
毎月、お客様にいただいているアンケートから月ごとにテーマを設定し、
その内容に沿ったおすすめ情報やコメントをご紹介いたします。
※お客様の年齢はアンケートをお寄せ頂いた当時のものです。
今月のテーマ私の好きなご当地の味
和歌山県海南市下津町は「蔵出しみかん」の町です。1月~2月末が最盛期です。
(和歌山県・57 歳・男性)

12月頃に収穫したみかんを、温度や湿度が一定に保たれた土蔵のような蔵の中で貯蔵。酸味が抜け、まろやかな味わいになったタイミングで出荷されます。
新潟県村上市には、鮭に塩をすり込んで干した「塩引き鮭」というおいしい鮭があります。
(新潟県・66 歳・男性)

雄の秋鮭を塩漬けにした後、寒風に一定期間さらして仕上げる昔ながらの名産品。手間暇をかけたほどよい塩加減の味わいが、ご飯にも日本酒にも良く合います。
東京練馬区の特産品といえば「練馬大根」の町です。身が締まっているため歯ごたえが良く、たくあんがとてもおいしいです。
(東京都・58 歳・女性)

江戸時代に練馬で盛んに栽培され、主にたくあんに加工されていた練馬大根。昭和になってから栽培量が減少しましたが、現在は復活の取り組みも進んでいます。
鹿児島県霧島市福山町にはいくつかの「黒酢」の醸造元があり、鹿児島県の特産品でもあります。
(鹿児島県・67 歳・男性)

福山町では、江戸時代の終わり頃から現在の黒酢となる米酢が作られるようになりました。玄米と米麹、地下水などを原料に、壺に入れてじっくり時間をかけて醗酵・熟成させます。
大阪府高槻市は「寒天」が有名です。寒天作りを伝えた宮田半兵衛をたたえて建てた碑があります。
(大阪府・65歳・女性)

1700年代の終わりに、現在の高槻市に住んでいた宮田半兵衛によって広まったとされる寒天。糸寒天や角寒天などがあり、テングサなどの海藻の煮汁を固め、乾燥させて作ります。
鍋物に欠かせないのが大分名物「カボス」です。このカボスのしぼり汁と醤油が、ポン酢に最高です。
(和歌山県・57 歳・男性)

大分県で栽培が始まり、現在もその生産のほとんどを大分が占めているカボス。独特の酸味と風味を持つ柑橘で、刺身や焼き魚、味噌汁などに広く利用されています。

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