「高品質なケール」を育てるために、すべてを農家の方におまかせするのではなく、まず私たちが適切な栽培方法を確立することから始めました。スタッフに農学部出身者を加え、試験栽培を繰り返し行いました。春から秋にかけて行われる通常の栽培では、葉をすべてアオムシに食べられてしまい、ケール栽培がいかに難しいかを改めて感じました。そこで「秋から春にかけてアオムシの出ない季節に栽培することは出来ないだろうか」と、発想を転換させた栽培方法を試みたのです。
地元農家の方々の全面的な協力のもと、データを積み重ねて少しずつケールの栽培法は確立されていったのです。また意外なことに、ケールは秋まきの方がビタミン、ミネラルなどの栄養価が高いうえ、甘みもあることがわかりました。同時に土づくりにも試行錯誤が繰り返され、有機肥料の種類や、追肥の時期を何度もテストして、納得のいくケールを収穫できる土壌になるまでに5年もの歳月を費やしました。
そうして収穫されたケールは、臭味や苦味もなく、ケール本来の甘味が感じられる「そのまま食べても美味しい野菜」に育ちました。