vol.1442026年9月
[今月の表紙]
すすき
ひんやりと頬を撫でる秋風の中で、さわさわと揺れる穂、徐々に地平線へと吸い込まれる太陽…。黄金色に輝くすすきの草原、その絶景がクライマックスを迎える秋の夕暮れ。冬へと向かう季節の足音が静かに聞こえ始めます。
長月の食材椎茸
干したり冷凍したりすることで栄養価や旨み成分が増加します。
椎茸がますます美味しい季節になりました。和食に限らずいろいろな料理に幅広く使える椎茸は、これからの旬の時期は特に鍋物や煮物などに大活躍しそうです。
もっとも今は1年中いつでも購入できるため、旬という言葉がピンとこない方もいらっしゃるかもしれません。栽培方法には『原木栽培』『菌床栽培』の2種類があります。秋や春に旬を迎えるのは原木栽培のもので、森や林にクヌギやナラなどの木を組んで菌を植え付け、自然の力を利用してじっくり育てます。肉厚で香りや風味が際立ち、椎茸本来の旨みを存分に味わえる原木椎茸は干し椎茸に加工されることも多いようです。一方、人工管理の元で栽培される菌床栽培は、安価で季節を問わず手に入る手軽さが魅力といえるでしょう。
椎茸には興味深い特徴があります。天日で干すことで、カルシウムの吸収を促進するとされるビタミンDが大幅に増えるそうです。これは、椎茸に含まれる『エルゴステロール』が紫外線によってビタミンD2に変化するため。反対に、冷凍することで細胞壁が崩れ、旨み成分の『グアニル酸』が増加することもわかっています。
干す際は、晴天の日に風通しの良い場所で、ヒダを上にしてザルやカゴに並べてしっかり乾燥させます。冷凍する場合、軸を切り落として石づきを除き、カサも軸も切っておくと調理の時に便利です。
料理研究家・フードプロデューサー徳永 睦子さん
福岡県那珂川市にて「フーディアム トクナガ」主宰。一般社団法人全国料理学校協会総師範、公益財団法人日本健康・栄養食品協会九州支部長など食のエキスパートとして活躍。
椎茸のツナマヨネーズ焼き
ツナとマヨネーズが椎茸の風味にマッチ!洋風の献立にもぴったりのレシピです
●1人分●
カロリー
225kcal
脂質
18.2g
糖質
9.1g
塩分
1.2g
調理時間 約20分
材料(2人分)
-
・生椎茸
小さめのもの8個
(約120g) -
・ツナ缶(オイル漬け)
1缶(約70g)
-
・パン粉
大さじ3(約10g)
-
・青ねぎ
1本(約10g)
-
・マヨネーズ
大さじ2
-
・塩・こしょう
各少々
-
・レモン
適宜
作り方
- ①生椎茸は軸を切り落として先端の石づきをカットします。ツナ缶のオイルを容器に移し、パン粉を加えて混ぜておきます。
- ②椎茸の軸を細かく刻み、〈写真1〉のように小口切りにした青ねぎ、ツナ、マヨネーズ、塩・こしょうを入れたボウルに加えて全体を和えます。
- ③②を8等分にして椎茸のヒダの上にのせ、①のパン粉をトッピングします。
- ④アルミホイルを敷いたオーブントースターに並べ、こんがり焼き色がつくまで約10分焼きます。器に盛り、お好みで切ったレモンを添えます。
調理のポイント!
生椎茸の軸は捨てずに細かく刻み、他の材料と一緒に混ぜて使うことで椎茸の食感や風味をより味わえます。

椎茸のフライパンホイル蒸しジャポネソース
ジューシーに蒸した椎茸とさっぱりとした和風のソースが相性抜群!お酒にもよく合います
●1人分●
カロリー
54kcal
脂質
0.7g
糖質
15.4g
塩分
0.9g
調理時間 約20分
材料(2人分)
・生椎茸
大きめのもの8個
(約200g)〈ジャポネソース〉
・大根(すりおろす)
50g
・にんにく(刻む)
1/2片
・醤油
小さじ2
・酢
小さじ1
・みりん
小さじ1
・青ねぎ
適宜
作り方
- ①生椎茸の軸は切り落として先端の石づきをカットし、手で粗く裂きます。
- ②アルミホイルを2枚用意し、それぞれ〈写真2〉のように椎茸4個と軸の半量を並べ、アルミホイルの上部を重ねてしっかり包みます。
- ③②をフライパンに並べて底から1cm程度の水(分量外)を入れ、蓋をして弱めの中火で火が通るまで10分ほど蒸し焼きにします。
- ④加熱している間にジャポネソースの材料を耐熱容器に入れ、電子レンジで約1分加熱します。
- ⑤アルミホイルの口をあけてジャポネソースをかけ、お好みで小口切りにした青ねぎを散らします。
調理のポイント!
椎茸をアルミホイルで包む際、上部をしっかり閉じて加熱時に蒸気が逃げないようにすることで、椎茸の中までまんべんなく火が通って風味も逃しません。
- レシピ制作・監修/料理研究家、管理栄養士
伊勢木紀三子さん - 雑誌や企業のカタログ、クッキングスクール、イベントなどでの料理講師、クリニックでの栄養指導を行う。
腸を元気に保つための食事や生活習慣が腸内環境を整えます
食べものの消化・吸収以外にも、私たちの健康に大きな役割を果たす腸。肥満や生活習慣病、メンタルなどにも腸が密接に関わっています。より良い腸内環境は快適な毎日に不可欠!今月は、腸を元気に保つために心がけたいことをご紹介します。
〝第二の脳〞とされる腸は、脳と深くつながっています
腸は〝第二の脳〞といわれるほど重要な臓器。脳のストレスが免疫系やホルモン、自律神経などを通じて腸に伝わると腸の働きが悪くなり、そのことでさらに脳がストレスを感じてしまう――腸と脳のこのような相互作用は「腸脳相関」とも呼ばれています。緊張するとお腹が痛くなるのは、まさにその代表といえるでしょう。逆に、腸の調子が悪くなると、それが脳に伝わって不安や抑うつといったメンタルに悪影響を及ぼすこともあります。
腸内に存在する3種類の細菌のバランスが大切
〝腸活〞という言葉をご存じでしょうか。腸活とは、腸内環境を整えて健康を維持するための食や生活習慣を推進することです。
腸には、乳酸菌やビフィズス菌といった『善玉菌』、ウェルシュ菌や一部の大腸菌などの『悪玉菌』、そのどちらにも傾く『日和見菌』の3種類の菌が存在します。これら腸内細菌の割合が崩れることが腸の不調につながるわけですが、だからといってやみくもに善玉菌を増やしたり悪玉菌を減らしたりすればいいわけではありません。大切なのはすべての菌がバランスよく存在していること。悪玉菌1に対して善玉菌が2、そして善玉菌が多い環境下で良い働きをする日和見菌が7という割合が理想的とされています。悪玉菌の中にもタンパク質を分解するなど体に有効な働きをする菌もありますし、腸内の多様性が健康につながることを考えると、悪玉菌の存在も不可欠なのです。
腸に嬉しい食事と生活による〝腸活〞を心がけましょう
〝腸活〞のための具体的な食事は、①菌を体内に取り込む②取り込んだ菌を育てる③善玉菌のエサを増やす、これら3つがポイントとなります。
< 腸活の具体的な食事のポイント >
- 発酵食品で菌を取り込む ヨーグルト、納豆、味噌、チーズなど(※毎日適度に摂ることが大切です)
- 食物繊維で菌を育てる ごぼう、オクラ、ブロッコリーなどの野菜、海藻類、きのこ類、豆類など
- 善玉菌のエサとなるオリゴ糖を増やす 玉ねぎ、ごぼう、バナナ、はちみつなど
ただ、これらの食品を急激に増やすとお腹が張るなどの不快感を感じる場合もありますので、ご自身に合ったペースで続けるようにしてください。 他にも、毎日の食や日常生活の中で、次のことを意識しましょう。
- 水分をこまめに摂って便通を整える
- 朝食をしっかり食べて腸を活発にさせる
- よく噛んで食べることで胃腸の負担を減らす
- 睡眠をしっかりとり、規則正しい生活で腸を整える
- 体に負担のない有酸素運動で腸を刺激する
- 読書や音楽などで気分転換を図る、体を動かす、ゆっくり入浴するなど、ストレスを溜めない日常を心がける
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