
vol.1332025年10月
[今月の表紙]長崎県平戸市
【川内峠からの風景】
市内屈指の絶景スポットとして知られる川内峠。約30ヘクタ-ルにわたって広がる草原は秋になると一面がすすきで覆われます。遥かに望む青い海と秋風に波打つように揺れて輝く穂。ゆっくりと、けれども確実に移り変わる季節が、私たちの心に刻まれる穏やかな風景です。
神無月の食材なめこ
食物繊維を含むヌメリをできるだけ残すように調理しましょう。
独特のヌメリが喉越しの良さを感じさせてくれるなめこ。その名は「滑る」の「滑」という文字が“なめ”とも読むことから付けられたそうで、滑子と表記することもあります。
なめこはかつて、東北地方を中心に原木栽培が行われていました。最近は菌床栽培の技術が進んだことで産地も増えて1年中栽培されていますが、天然ものの旬は10月から11月。場所によってはそれ以降のところもあるようです。主な産地は新潟県をはじめ、長野県や山形県となっています。
なめこの栄養素にはビタミンB群やカリウムなどが挙げられます。特徴でもあるヌメリは粘液多糖体と呼ばれ、食物繊維がしっかり含まれていますので、できるだけ取り除かずに食したいもの。ヌメリを生かしてお味噌汁や和え物に利用されることが多いと思いますが、まさに理に適った調理法といえそうです。
なめこは必ず加熱が必要ですが、水洗いした後は旨みや風味を逃さないよう火の通しすぎに注意しましょう。
傷みが早いため、購入後2日程度を目安に食べ切ることをおすすめしますが、冷凍で1ヶ月程度は保存が可能です。真空ならそのまま冷凍室に。株付きのものは石づきを除いて水洗いし、水気を切ってバラバラの状態で保存袋に入れて冷凍します。
料理研究家・フードプロデューサー徳永 睦子さん
福岡県那珂川市にて「フーディアム トクナガ」主宰。一般社団法人全国料理学校協会総師範、公益財団法人日本健康・栄養食品協会九州支部長など食のエキスパートとして活躍。
なめこの唐揚げ
下味をつけてカリっと揚げたなめこの食感が後を引く美味しさです
◆1人分◆
カロリー
103kcal
脂質
6.2g
糖質
14.9g
塩分
0.7g
調理時間 約15分
材料(2人分)
-
・なめこ(株付き)
100g
-
・醤油
大さじ1/2
-
・おろし生姜
小さじ1/2
-
・片栗粉
大さじ2
-
・揚げ油
適量
-
・レモン
適宜
作り方
- ① ボウルに醤油とおろし生姜を入れて混ぜ合わせます。
- ② なめこは石づきを切り落として小房にほぐし、軽く洗います。水気を切って①に入れ、〈写真1〉のように味をより絡みやすくするため手で混ぜて下味をつけます。片栗粉を加え、なめこの表面にまぶすように全体をざっくり混ぜます。
- ③ 180℃に熱した揚げ油で約2分揚げ、お好みでレモンを添えて盛り付けます。

調理のポイント!
なめこは下味をつけて時間を置くと水分が出てしんなりしてしまうので、揚げる直前に絡めるようにします。
なめこのあんかけ豆腐
トロリとしたあんと絹ごし豆腐の滑らかな食感をぜひどうぞ
◆1人分◆
カロリー
120kcal
脂質
5.4g
糖質
10.9g
塩分
1.0g
調理時間 約10分
材料(2人分)
・なめこ(株付き)
80g
・絹ごし豆腐
小2パック(150g×2)
(A)麺つゆ3倍濃縮
20ml
(2倍濃縮なら30ml)(A)水
150ml
(A)片栗粉
小さじ1
・青ねぎ・生姜
各適量
作り方
- ① なめこは石づきを切り落として小房にほぐし、軽く洗って水気を切り、食べやすい大きさに切ります。
- ② 絹ごし豆腐をそれぞれ4等分にして耐熱性の器に入れ、600Wの電子レンジで約2分加熱します。水気が出たら軽く切ります。
- ③ あんを作ります。鍋に(A)を入れ、片栗粉を溶いてから火にかけ、混ぜながら沸騰させます。とろみがついたら〈写真2〉のように①を加えて1分ほど煮ます。
- ④ ②の豆腐に③をかけ、青ねぎの小口切り、おろし生姜を添えます。

調理のポイント
なめこは加熱しすぎると風味が損なわれてしまいますので、あんにしっかりとろみがついたところで加えます。
- レシピ制作・監修/料理研究家、管理栄養士 伊勢木紀三子さん
- 雑誌や企業のカタログ、クッキングスクール、イベントなどでの料理講師、クリニックでの栄養指導を行う。
毎月、お客様にいただいているアンケートから月ごとにテーマを設定し、その内容に沿ったおすすめ情報やコメントをご紹介いたします。
※お客様の年齢はアンケートをお寄せ頂いた当時のものです。
今月のテーマ私の好きなご当地の味
長野県上田市では、焼き鳥に「美味だれ」というにんにくをすりおろしたタレをつけて食べます。
(長野県・55歳・男性)

美味だれとはにんにく醤油をベ-スにしたタレで、市内の多くの焼き鳥店で常備されています。昭和30年代に、とある焼き鳥店の店主が焼き鳥の新しい食べ方として考案したのが始まりだとか。
「ウツボ」は和歌山の昔ながらの食材。細く切って甘辛く味付けした佃煮は、おつまみやお茶漬けにピッタリです。
(和歌山県・64歳・女性)

和歌山県南部の特産品として親しまれているウツボ。冬に旬を迎え、地元では鍋料理で食されることが多いようです。ウツボを干した後に揚げ煮にした佃煮は人気のお土産品にもなっています。
「ぬれせんべい」は、最初の一口は“しけったせんべい”の印象ですが、癖になる味です。
(千葉県・65歳・女性)

生地を焼いた直後に醤油ダレを染み込ませた煎餅で、濃い味わいとしっとりとした食感が特徴です。発祥は千葉県銚子市とされ、昭和30年代後半に商品化。現在はお土産の定番でもあります。
熊本はひともじのぐるぐる(わけぎをゆがいて巻いたもの)!お酒のおつまみにもってこいですよ。
(熊本県・69歳・女性)

熊本で古くから「一文字」と呼ばれているわけぎを使った郷土料理。サッと茹でたわけぎの葉の部分をぐるぐると巻き付けた、色鮮やかでシンプルな一品です。辛味噌や酢味噌でいただきます。
ネズミとトラの間の干支は何?
答えは?!
元素記号Sで表される物質は何?
答えは?!
カナカナと鳴く虫は何?
答えは?!