内科医の9割以上が"イベント時の三要素同時摂取は高リスク"と評価
ここからは、医学的な視点からクリスマスの食事が体に与える影響について、内科医にうかがいました。
脂質・糖質・アルコールを同時に摂取することによる体への負担の調査結果
「クリスマスなどのイベント時に、脂質・糖質・アルコールを同時に摂取することによる体への負担はどの程度大きいと考えるか」と尋ねたところ、9割以上が『とても大きい(46.0%)』『やや大きい(49.4%)』と回答しました。
ほとんどの内科医が、クリスマス特有の「脂質・糖質・アルコール」の同時摂取は、体に一定以上の負担をかけると考えているようです。
では、体の中では具体的にどのような変化が起きているのでしょうか。
「脂質・糖質・アルコールを同時に摂取した際、起こりうる体内変化で注意した方がよいと考えるもの」を尋ねたところ、『中性脂肪の上昇(55.8%)』と回答した方が最も多く、『血糖値の急上昇(46.6%)』『肝臓への負担増加(41.8%)』となりました。
血液中の「中性脂肪」や「血糖値」の急激な変動に加え、「肝臓への負担」を懸念する声が多く挙がりました。
これらは、生活習慣病のリスク因子でもあり、イベント時の一過性のものとはいえ、体にとっては無視できないダメージとなっているのではないでしょうか。
上位3項目はいずれも4割以上の支持を集めており、内科医たちが複数の体内変化を同時に懸念している実態が浮き彫りになりました。中でも「中性脂肪の上昇」は半数を超える内科医が注意すべきと考えており、最も注目度が高い項目となっています。さらに、上位3項目以外でも、『胃腸への負担増加(31.9%)』『むくみにつながる体液バランスの変化(21.3%)』『代謝低下(14.7%)』が挙げられており、体内で起こりうる変化は多岐にわたります。内科医たちが注目する項目の幅広さから、三要素の同時摂取が体に及ぼす影響の複雑さが見て取れます。
翌日の体調不良が最も強く出やすい組み合わせの調査結果
さらに、「翌日の体調不良(だるさ・むくみ・胃腸の不快感など)が最も強く出やすい組み合わせはどれだと考えるか」と尋ねたところ、『脂質+アルコール(46.6%)』と『糖質+アルコール(46.6%)』が同率で並ぶ結果となりました。
脂質、糖質のどちらにおいても、「アルコール」と組み合わさることで不調のリスクが高まると医師たちは考えているようです。
両者が完全に同率で並んだ点は興味深い結果です。また、『脂質+糖質(6.0%)』という組み合わせは1割にも満たず、『特に差はない(0.8%)』もごく少数にとどまりました。アルコールを含む組み合わせが合わせて9割以上に達したことから、翌日の体調不良の強さを左右する要因として、内科医たちは脂質や糖質よりも「アルコールの有無」を重視している様子がうかがえます。この結果は、三要素の中でもアルコールが特に大きな影響を及ぼすと捉えられていることを示唆しています。
なぜ、これらの組み合わせがそれほど体に負担をかけるのでしょうか。
「脂質・糖質・アルコールを同時に摂取した翌日に不調を感じる理由の中で、最も影響が大きいと考えるもの」について尋ねたところ、『肝臓がアルコール処理を優先し脂質代謝が滞る(51.2%)』と回答した方が最も多く、『消化器官に負担がかかり処理が追いつかない(33.1%)』『インスリンの分泌が過剰になり血糖変動が起こる(11.7%)』となりました。
肝臓はアルコールの分解を最優先で行うため、その間、脂質や糖質の代謝が後回しにされてしまうという生理学的メカニズムが、翌日の不調の大きな要因となっているようです。
つまり、クリスマスの「三拍子」揃った食事においては、肝臓や胃のオーバーワークこそが不調の大きな要因である可能性が高いといえます。
肝臓がアルコール処理を優先し脂質代謝が滞る」が半数以上を占め、2位の「消化器官に負担がかかり処理が追いつかない」を約18%上回る結果となりました。この差は、内科医たちが翌日の不調において「肝臓の代謝機能」を特に重要なメカニズムとして位置づけている様子がうかがえます。また、「インスリンの分泌が過剰になり血糖変動が起こる」は1割程度にとどまり、上位2項目との間には明確な開きがあります。不調の要因として、内科医たちは複数の臓器への負担を認識しつつも、肝臓における代謝の滞りを最も警戒すべき点として捉えている傾向が見て取れます。
"食べすぎ・飲みすぎから体を回復させるための推奨対策の調査結果
最後に、「"食べすぎ""飲みすぎ"から体を回復させるために、推奨する対策」を尋ねたところ、『アルコールを控える・休肝日を設ける(48.6%)』と回答した方が最も多く、『水分をしっかりとる(45.0%)』『肝臓の健康維持をサポートする成分をとる(35.7%)』となりました。
酷使した肝臓を休ませることが対策として上位に挙がりました。
また、水分補給や肝臓の働きを助ける成分を積極的に摂取することも、有効な対策として支持されていることがわかります。
上位3項目を見ると、いずれも「肝臓」というキーワードに関連する対策となっています。さらに、4位の『消化に良い食事をとる(30.7%)』も3割の支持を得ており、消化器官への配慮も一定の重要性が認識されていることがわかります。一方、『脂質や糖質の摂取量を数日控える(25.1%)』は2割台にとどまり、『軽い運動をする(17.5%)』『睡眠を十分にとる(13.6%)』といった全身的な回復法はさらに低い割合となりました。この結果から、内科医たちは暴飲暴食後の不調改善において、肝臓や消化器官といった「負担がかかった臓器への直接的なケア」を重視している傾向が読み取れます。