純アルコール量を意識した行動変容はわずか3割
お酒選びで最も重視されるのは「種類」と「味」!純アルコール量を意識した行動変容の経験は約3割
はじめに、週1回以上飲酒する40~50代の男女にうかがいました。
お酒選びと飲酒量把握に関する調査|「お酒の種類」が68.9%で最多(調査:自然食研 / モニター提供:サクリサ)
「あなたが普段お酒を選ぶ際に、重視していること」について尋ねたところ、『お酒の種類(ビール、チューハイなど)(68.9%)』と回答した方が最も多く、『味や飲みやすさ(62.5%)』『アルコール度数(度数の高さ・低さ)(36.4%)』となりました。
多くの方が、お酒を選ぶ際に「何を飲むか」や「自分好みの味か」といった嗜好を重視していることが示されました。
また、「アルコール度数」が上位に入っていることから、アルコール度数も、選ぶ際の判断の一つとなっている事がうかがえます。
陳列されている商品パッケージには、商品を選ぶ際に確認できるさまざまな情報が記載されています。普段何気なくお酒を手に取っている場合でも、あらためて振り返ってみると、自分がどの情報に目を向けて商品を選んでいるのかを整理することができます。お酒を選ぶまでには確認できる情報が複数ありますが、実際に飲み始めてから「どのくらい飲んだか」を捉える際にも、見るポイントは一つとは限りません。商品を「選ぶときに見る情報」から、飲んだ後に「量を把握するときの基準」へと視点を移すと、普段どのように自身の飲酒量を捉えているのかも気になるところです。
では、日々の飲酒量はどのように管理されているのでしょうか。
「普段、自分が飲んだお酒の量をどのように把握しているか」と尋ねたところ、『飲んだ本数(60.2%)』と回答した方が最も多く、『飲んだ杯数(38.7%)』『飲んだお酒の容量(19.5%)』となりました。
約6割が「本数」で飲酒量を把握しており、「杯数」と合わせると、視覚的にわかりやすく数えやすい単位で管理している方が多数派を占めました。
また、具体的な「お酒の容量」で把握している方も約2割となり、日常生活の中でお酒を楽しむ際、その場で手軽に管理できる直感的な方法が好まれる傾向がうかがえます。
「何本」「何杯」といった数え方は、普段の飲酒量を振り返る際にも使いやすい身近な表現です。一方で、お酒には種類やアルコール度数、容量などの違いがあり、同じ「1本」「1杯」という表現だけでは、飲んだお酒の内容まですべて同じ条件で捉えることはできません。
本数や杯数で「飲酒量」を把握する方が多い一方で、「純アルコール量」に関する正しい知識はどの程度浸透しているのでしょうか。
純アルコール量の認知度に関する調査|「わからない」が37.9%で最多(調査:自然食研 / モニター提供:サクリサ)
「同じ『1杯』『1本』でも、お酒の種類・アルコール度数・容量によって、実際に摂取する純アルコール量が異なることを知っているか」と尋ねたところ、約7割が『知っていた(72.0%)』と回答しました。
この結果から、多くの方が「同じ1杯でもお酒によってアルコール量が違う」という事実自体は認識していることがわかりました。
しかし、実際の把握方法が「本数・杯数」に偏っていたことを考慮すると、知識としては知っていても、日々の行動や飲酒量の管理に活かす段階においては、まだ一定の隔たりが存在しているとも考えられます。
普段の飲酒では「1杯」「1本」という言葉で量を表すことがありますが、それだけでは中身まで同じとは限りません。選ぶお酒が変わればアルコール度数が異なる場合があり、同じ種類のお酒でも商品によって容量や度数には違いがあります。つまり、見た目には同じ「1杯」「1本」であっても、そこに含まれるアルコールの量まで一律に捉えることはできません。飲酒量について考える際には、杯数や本数だけを見るのではなく、「どのお酒を」「どのくらいの容量で」「何%の度数で」飲んだのかという複数の情報に目を向けることで、より具体的に捉えることができます。
知識と行動にギャップがある中、具体的なアルコール量に対する理解度はどうでしょうか。
「アルコール度数5%のビール500mlに含まれる『純アルコール量』は、どのくらいだと思うか」と尋ねたところ、以下のような回答結果になりました。
『約10g(15.7%)』
『約20g(13.1%)』
『約25g(32.3%)』
『約30g(1.0%)』
『わからない(37.9%)』
『わからない』と回答した方が約4割で最多となり、次いで『約25g』『約10g』が上位を占めました。
本来の目安となる『約20g』を正しく選べた方は13.1%にとどまり、具体的な純アルコール量を正確に把握されていない様子が伺えます。
多めに推測する方と少なめに推測する方が混在している実態からも、アルコール摂取量の計算方法や基準値に対する認知度は高くないのが現状です。
お酒には「アルコール度数○%」「内容量○ml」など複数の数字が表示されていますが、純アルコール量は「g」で表されます。それぞれ単位が異なるため、普段目にしている度数や容量の表示と、実際に摂取する純アルコール量を同じものとして捉えることはできません。純アルコール量を具体的に知るためには、アルコール度数だけ、容量だけを見るのではなく、両方の情報を組み合わせて確認する必要があります。「何%のお酒を、何ml飲むのか」という身近な商品表示を「何gの純アルコールを摂取するのか」という共通の単位に置き換えて捉えることが、具体的な飲酒量を確認する一つの方法になります。
【参考】厚生労働省:健康に配慮した飲酒に関するガイドライン
具体的な純アルコール量の把握が難しい中、日々の飲酒において純アルコール量を意識し、実際の選び方や飲む量を変えた経験がある方はどの程度いるのでしょうか。
純アルコール量を意識した行動変容に関する調査|「ない」が73.9%で最多(調査:自然食研 / モニター提供:サクリサ)
「純アルコール量を意識して、お酒の選び方や飲む量を変えたことはありますか」について尋ねたところ、約7割が『ない(73.9%)』と回答しました。
多くの方が『ない』と回答し、純アルコール量を意識して行動を変えた経験がある方は約3割にとどまる結果となりました。
この結果から、純アルコール量という指標を知ってはいても、日常的なお酒の選択や飲酒量の調整に取り入れている方は多くない事がわかります。
健康に配慮してお酒を楽しむためには、具体的な指標を日常に取り入れやすくするための工夫が求められそうです。
純アルコール量を飲酒時の指標として取り入れる場合、普段使い慣れている「本」「杯」とは異なり、「g」という単位で飲酒量を見ることになります。お酒の種類や商品が変わっても同じ単位で表せるため、ビールやチューハイなど異なるお酒を飲んだ場合でも、一つの基準に置き換えて確認できます。飲んだお酒の種類や本数だけではなく、アルコール度数と容量を踏まえて「どのくらいのアルコールを摂取したか」を数値で捉えることも、飲酒量を把握する方法の一つです。こうした純アルコール量による把握について、医師はどのように捉えられているのでしょうか。