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オルニチンは肝臓に効果あり?数値が気になる人の正しい摂取法

この記事のここがポイント

  • 肝臓の解毒とエネルギー産生をサポート
  • ALTやγ-GTPの改善効果を確認
  • サプリメントでの補給が効果的
  • 食事・睡眠・休肝日も大切

オルニチンは肝臓に効果あり?数値が気になる人の正しい摂取法

健康診断でAST・ALT・γ-GTPの数値を指摘されて不安を感じていませんか?お酒を飲む機会が多い方や、肝臓への負担を気にしている方にとって、「オルニチン」という成分が気になるのではないでしょうか。この記事では、オルニチンが肝臓にどのように作用するのか、科学的な根拠とともに、正しい摂取方法や生活習慣の改善ポイントを解説します。

オルニチンとは?2つの効果

オルニチンは、たんぱく質を構成せずにアミノ酸の形のまま血液中を巡る「遊離アミノ酸」の一種です。通常のアミノ酸は体内でたんぱく質として利用されますが、オルニチンは単体で血液に溶け込み、体内を巡りながら肝臓で重要な役割を果たします。代表的な食品としては、しじみやきのこ類、キハダマグロなどに多く含まれています。ここでは、オルニチンが肝臓の働きをサポートする2つの効果を見ていきましょう。

効果1|体に溜まったアンモニアの解毒をサポート

お酒を飲んだり激しい運動をしたりすると、体内にはアンモニアという有害物質が発生します。肝臓にはこの有害物質を無毒化する働きがありますが、オルニチンが不足するとこの働きが追いつきません。

そこで、オルニチンを補給することで、肝臓の「オルニチンサイクル」という代謝経路が活発化し、アンモニアを尿素に変えて無毒化する働きがスムーズに進むようになります。つまり、オルニチンは肝臓の解毒機能をサポートする重要な成分です。

効果2|エネルギー効率を高めて疲れを軽減

解毒作業だけでなく、体を動かすためのエネルギーを作り出すことも、肝臓の役割です。しかし、解毒で手一杯になると、もう一つの仕事であるエネルギー産生がおろそかになり、疲労感や身体の不調が出やすくなります。

一方で、オルニチンによって解毒作業がスムーズに終わると、肝臓が余裕を持ってエネルギーを作れるようになります。その結果、全身にエネルギーが行き渡り、疲労感の軽減につながるのです。

オルニチンと健康診断の数値との関係

健康診断で「AST」「ALT」「γ-GTP」といった数値を指摘された方も多いのではないでしょうか。「AST」「ALT」「γ-GTP」は、肝機能の状態を示す重要な指標です。オルニチンがこのような数値とどう関係しているのか見ていきましょう。

そもそもAST・ALTが上がる原因とは?

AST(GOT)とALT(GPT)は、主に肝臓に多く存在する酵素です。数値が高いということは、肝細胞が壊れている(炎症が起きている)サインといえます。数値が30以下であれば基準範囲内ですが、31〜50は要注意、50以上は危険とされています。

原因としては、アルコールの過剰摂取や脂肪肝による影響が考えられるでしょう。また、γ-GTPも肝臓に多く存在する酵素で、アルコール性肝障害や脂肪肝などで高値を示すことがわかっています。

研究データで見るオルニチンの働き

オルニチンは直接的に肝機能の数値を下げるわけではありませんが、研究により肝機能改善の可能性が示されています。

オルニチン研究室の「オルニチンの肝機能改善効果の検証」では、肝機能の指標であるALTが42〜100 IU/L未満で、脂肪肝の所見がある成人男性11名を対象に試験が行われました。その結果、オルニチンを1日1.6g、3週間継続摂取したグループでは、ALTやγ-GTP、ASTの数値が改善したことが確認されています。

このメカニズムとして、オルニチンが成長ホルモンの分泌を促進し、脂質代謝が改善することで肝臓に蓄積した脂肪が分解され、肝機能が改善した可能性が考えられます。

肝機能ケアに必要なオルニチンの「摂取量」は?

オルニチンの効果を実感するには、どれくらいの量を摂取すればよいのでしょうか。厚生労働省では明確な基準は定められていませんが、研究や製品の多くで推奨されている量があります。

目安は1日400mg〜1,000mg程度

オルニチンの1日の摂取量が明確に決められているわけではありませんが、1日当たり400〜1,000mg程度を目安にしている場合が多いようです。先述した研究ではオルニチンを1日1.6g摂取していましたが、これまでに行われた研究の中には、1日あたり400mg〜800g程度摂取した条件で検証されている例もあります。

オルニチンはもともと体内に存在するアミノ酸の一種で、食品やサプリメントなど、さまざまな形で取り入れられてきました。摂取量や取り入れ方については、生活習慣や体調に合わせて考えることが大切です。

オルニチンを含む代表的な食品でも必要量に届かない

オルニチンは、しじみをはじめ、魚介類やきのこ類など、身近な食品にも含まれています。特にしじみは、オルニチンを含む食品として広く知られています。

一方で、研究で用いられるような量のオルニチンを、日々の食事だけで安定して摂取し続けることは、食生活の内容によっては難しいでしょう。

そのため、食事を基本としながら、不足しがちな栄養素を補う目的で、サプリメントや健康食品を活用するという考え方もあります。自分の生活スタイルに合った方法を選ぶことが大切です。

失敗しない!オルニチンサプリの選び方

オルニチンをサプリメントで摂取する際、どのような点に注意して選べばよいのでしょうか。ここでは、失敗しないためのポイントを2つご紹介します。

オルニチン単体か食品由来のエキスかで選ぶ

オルニチンのサプリメントには、以下の2種類があります。

  • 人工的に作ったオルニチンだけを配合したタイプ
  • しじみなどの素材を煮詰めたエキスタイプ

肝臓の健康には、オルニチンだけでなく、アミノ酸やミネラルなども重要な役割を果たすことがわかっています。しじみなどの食品由来のエキスであれば、オルニチン以外の栄養素もバランスよく含まれているため、肝臓を総合的にサポートできるでしょう。

飲みやすさと続けやすさをチェックする

サプリメントは毎日続けることが何よりも重要です。どんなに良い成分が含まれていても、飲みにくくて続けられなければ意味がありません。しじみエキスの場合、独特の臭みがあるため、臭みを抑えたソフトカプセルタイプがおすすめです。

また、持ち運びに便利な個包装タイプであれば、外出先でも飲み忘れを防げます。自分の生活スタイルに合わせて、無理なく続けられる形状やパッケージのものを選んでいきましょう。

オルニチンだけに頼らない!肝臓をいたわる生活習慣

肝臓に負担をかける生活習慣に関する医師へのアンケート調査結果
肝臓に負担をかける生活習慣(内科医調査)

オルニチンのサプリメントを摂取することも大切ですが、肝臓の健康を維持するには生活習慣の見直しが欠かせません。内科医を対象にした「内側からの健康・美容ケア」に関する調査では、肝臓に負荷をかける生活習慣として、「脂質や糖質の多い食生活」が最も多く挙げられました。次いで「不規則な生活リズム」「過度な飲酒」という結果が出ています。

お酒を飲まない方でも、食事内容や生活リズムによって肝臓に負担をかけている可能性があるのです。ここでは、日常生活で実践できる肝臓ケアのポイントをご紹介します。

高タンパク・低脂質を意識する

揚げ物やラーメンなどの脂質・糖質が多い食事は、肝臓に大きな負担をかけ、脂肪肝のリスクを高めてしまいます。一方、肝臓の修復にはタンパク質が欠かせません。肉や魚、卵、大豆製品などの良質なタンパク質をしっかり摂りつつ、脂質は控えめにすることが理想的です。

例えば、鶏むね肉や白身魚、豆腐などは高タンパク・低脂質の代表的な食材といえます。バランスの取れた食事を心がけることで、肝臓の負担を減らし、健康な状態を保ちましょう。

質の良い休息を心がける

肝臓は寝ている間に修復作業を行うため、睡眠不足はダメージ蓄積の原因になってしまいます。十分な睡眠時間の確保はもちろん、睡眠の質も重要です。

以下のように、質の良い睡眠を取るための工夫をしていきましょう。

  • 就寝前のスマートフォンやパソコンの使用を控える
  • 寝室の温度や湿度を快適に保つ
  • 規則正しい生活リズムを心がける など

肝臓がしっかり修復される時間を確保すれば、肝機能の維持につながるでしょう。

週に2日は休肝日をつくる

毎日お酒を飲み続けた場合、肝臓は24時間働き詰めの状態といえます。肝臓を休ませるためには、週に2日は休肝日を設けることが理想的です。「付き合いでどうしても飲まなければならない」という日もあるかもしれません。そんな場合でも、以下のように他の面でカバーすることが大切です。

  • 飲酒量を控えめにする
  • 食事内容に気を付ける
  • 睡眠時間を確保する など

また、オルニチンのサプリメントを活用することで、無理なく肝臓をサポートできます。完璧を目指すのではなく、できる範囲で対策を続けることが重要です。

まとめ

オルニチンで肝臓をサポートし、健康な毎日を

オルニチンは肝臓でアンモニアの解毒をサポートし、エネルギー産生を助ける重要な成分です。研究では、継続的な摂取により肝機能の指標であるALTやγ-GTPの改善が確認されています。食事だけで必要量を摂取するのは難しいため、サプリメントの活用が推奨されるでしょう。

ただし、オルニチンだけに頼るのではなく、食事や睡眠、休肝日などの生活習慣を見直すことも重要です。できることから少しずつ始めて、肝臓の健康を守っていきましょう。

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