健康・美容のカギは「肝臓」だった?ほとんどの医師が健康や美容に肝臓の状態が「影響する」と回答
健康や美容を保つ上で、肝臓ケアの重要性を認識している方が多いことがわかりましたが、実際に肝臓の状態はどれほど身体のコンディションに関わっているのでしょうか。
ここからは、専門家である内科医にうかがいました。
肝臓の働きが健康や美容ケアに与える影響
「健康や美容に、どれくらい肝臓の状態が影響すると考えますか?」と質問したところ、9割以上が『非常に大きく影響する(50.3%)』『ある程度影響する(46.2%)』と回答しました。
大多数が、肝臓の状態が健康や美容に影響を与えると回答しています。
健康・美容習慣への関心が高い30~60代の男女の認識と同様に、医学的な見地からも肝臓ケアの重要性が裏付けられる結果となりました。
では、肝臓の状態は具体的にどのような形で身体のコンディションにあらわれるのでしょうか。
前の質問で『非常に大きく影響する』『ある程度影響する』と回答した方に、「肝臓の働きは、健康や美容ケアの観点でどのような影響を与えると考えるか」と尋ねたところ、『免疫機能の維持に関わる(63.4%)』と回答した方が最も多く、『代謝をサポートする(53.7%)』『疲労感に影響を与える(45.5%)』となりました。
「免疫機能」や「代謝」といった、身体の根本的な機能維持に肝臓が深く関わっていることがわかります。
また、「疲労感への影響」も上位に挙がっており、疲れにくい体づくりや活力ある日々を送るためには、肝臓のコンディションを整えることが重要であると考えられます。
続く項目を見ると、『肌の調子に影響を与える(30.4%)』、『体全体のコンディションに関わる(21.3%)』という結果になりました。上位3項目がいずれも4割以上を占める一方、これらの項目は3割台以下にとどまっており、明確な差が見られます。最も多い『免疫機能の維持に関わる』が6割を超えているのに対し、『体全体のコンディションに関わる』は2割台で、両者の間には40%以上の開きがあります。肝臓の影響として「免疫」「代謝」「疲労」といった具体的な機能への関与が、より包括的な「体全体のコンディション」よりも高い割合で挙げられている結果となりました。
医師がこれほど重要視しているにもかかわらず、一般的に肝臓ケアが浸透しにくいのはなぜなのでしょうか。
肝臓のケアが浸透しにくい理由
「肝臓のケアが浸透しにくい理由は何だと思うか」と尋ねたところ、『肝臓の働きが一般に理解されていないため(54.2%)』と回答した方が最も多く、『肝臓は症状が出にくく、自覚しづらいため(46.4%)』『健康意識の中で肝臓の優先度が低いため(45.4%)』となりました。
約半数が、「理解不足」を課題として挙げています。
また、「沈黙の臓器」といわれるように自覚症状が出にくいため、不調に気づいてからでは遅いという特性や、他の臓器に比べてケアの優先順位が低くなりがちな現状が、肝臓ケアの普及を妨げている要因のようです。
自覚症状が出にくいからこそ、気づかないうちに肝臓に負担をかけてしまっているケースも多いのではないでしょうか。
他の項目では、『情報発信や啓発が不足しているため(23.9%)』、『メディアやSNSでの話題性が低いため(11.3%)』となりました。上位3項目がいずれも4割を超えているのに対し、4位以降は2割台以下にとどまっており、上位3項目への回答集中度が高い結果となっています。医師が考える肝臓ケア浸透の障壁は、主にこれら上位3つの理由に集約されている様子がうかがえます。
そこで、「肝臓に負荷をかける生活習慣として、多く見られるものは何だと思うか」と尋ねたところ、『脂質や糖質の多い食生活(50.1%)』と回答した方が最も多く、『不規則な生活リズム(47.0%)』『過度な飲酒(38.8%)』となりました。
一般的に肝臓への負担といえば「飲酒」をイメージしがちですが、医師の回答では「食事内容」や「生活リズム」が飲酒を上回る結果となりました。
お酒を飲まない方であっても、偏った食生活や乱れた生活習慣によって、知らず知らずのうちに肝臓に負担をかけているリスクがあることが明らかになりました。
上位3項目に続き、『睡眠不足』が3割を超えている一方、『ストレス過多(28.2%)』、『運動不足(21.4%)』、『加工食品や食品添加物の過剰摂取(14.8%)』となりました。医師は、肝臓への負担要因として、飲酒だけでなく、日常的な食事内容・生活リズムの乱れ・睡眠不足といった、より広範な生活習慣全般を重視している傾向が見て取れます。
肝臓の健康維持をサポートする成分
最後に、「肝臓の健康維持をサポートする成分として、認識しているもの」について尋ねたところ、『ビタミンB群(42.1%)』と回答した方が最も多く、『オルニチン(41.0%)』『タウリン(38.3%)』となりました。
代謝ビタミンとも呼ばれる『ビタミンB群』や、しじみなどに多く含まれる『オルニチン』、魚介類に含まれる『タウリン』が上位に挙がり、肝臓の働きを助け、健康維持をサポートする成分として医師の間でも広く認識されていることがわかりました。